
お知らせ
資産運用を考える時、投資の効果に注目し、利益(便益)とリスク(危険性)の軸のマトリクスから、4つの事象について検討することが考えられる。①ローリスク・ローリターンの事象。銀行預金などはこの部類の代表です。目減りはしないが、あまり増えもしない。しかし、使いたいときすぐに引き出せるので一定割合は必要となる。②ハイリスク・ハイリターンの事象。ひとによって味方は異なるが株式の投資などもこの領域に含まれる場合もある。博打(ギャンブル)なども当てはまるのではと考える人もいるが、損失確定プラス、ノーリターンだろう。確率による期待値ではそうなる。だから、③のハイリスク・ローリターンとも言える。最も人気の無い事象だろう。これに対して④ローリスク・ハイリターンは理論上望ましいが実際ほとんど無い(少ない)と言える。こうして①から②方向の対角線上の商品等の組み合わせで、投資や資産運用を行うのが良しとされる。
ところで博打(ギャンブル)の胴元について考えてみると、ローリスク・ハイリターンに近いと言える。胴元は基本、損しない仕組みになっている。宝くじなどでも自治体等に安定した収入が得られるので続けられる。元請けの大手企業と下請けの中小企業等の関係もこれに近い。利益の一定割合を取って下請けに渡す。力関係で弱い下請け等は活かさず殺さずで大した利益に有り付けない。新型コロナ禍時に多くの国民が知ることになったのだが、電通のような大手天下り先企業が国の仕事を優先的に受注する慣習がある。もっとも、各種省庁も昔から特殊法人など関連する団体等に仕事を発注する仕組みがあるらしい。官僚OBの報酬と退職金を賄うためとされる。噂と言うだけでは無いだろう。
ローリスク・ハイリターンはほとんど無いと述べたが、大企業より中小零細企業の方が可能性は高いとも言える。その理由は、組織が小さいと意志決定が早いからである。素早く市場のニーズに対応出来れば一時的に利益を得ることができる。しかしながら同業者等が真似をすると競争が激しくなる。当然、大手が儲かると分かれば参入し、中小零細企業では立ちゆかなくなる。だからポイントは大手が出てきたら撤退することだ。地域等を変える戦略もある。大手と真っ向から競争しないことだ。また、市場規模が小さいことも大手と対抗出来るかもしれない。大手が進出しても組織や設備が中途半端で採算が合わない(あまり儲からない)と想定される場合など続けられる可能性がある。さらに盲点となっている分野もある。これが利益の出るニッチ(隙間)である。例えば、多くの企業で必要とされる商品サービスであるが、単独では採算が合わない(コストがかかる)が、ある一定の単位や量を集めると固定費を上回り利益が得られる場合などである。また、高度な技術開発ではなく、既存の技術を組み合わせたり、独自の材料・部品や器具などを使うことによりコストカットを図り、他所では採算が合わないから無理と思わせて、実は安定した利益が得られる仕組みなどである。ハイリターンは難しいかもしれないが、リスクを伴わず、確実に安定して利益を密かに生み出すことは可能だろう。サービス業では、優れた社員の言動を共有することにより属人化でなく一般化させ、組織全体で他社と差別化を図り高収益を生み出すことも可能になる。面倒で儲からないから競争のないところにこそ、やり方次第で利益を作れる可能性が隠れているかもしれない。アイデアと努力次第です。
令和8年3月 272号(R08.03)
ローリスク・ハイリターンは現実にあり得るか?!