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2026/03/17NEW
令和8年2月 271号(R08.02) 食料品に対する消費税の減税について考えてみよう!

令和8年2月 271号(R08.02)

食料品に対する消費税の減税について考えてみよう!

 先の衆議院選挙では、消費税の減税に言及する政党が多かったと思います。実際に行われるか今のところ不明ですが、あったとして、その経済効果や業務に及ぼす影響について考えてみましょう。

 1人あたりの食費が1日2千円と仮定します。1年では 2000円×365日 = 73万円(税込)となります。消費税の額は 73万円 × 8/108 = 5万4千円(年間)で、1か月換算4千500円です。 2年程度の減税ではあまり経済効果は期待できないと思われます。また、消費税が掛からなくなったとしても、実際食料品の価格が下がるかどうかは疑わしいと思います。最近は加工食品等で年に数回値上げとなるものも多いようです。商品価格を構成する要素も食品本体だけで無く、物流費や人件費も含まれると考えられますので、減税が開始された当初は消費税分、金額が下がったとしても、すぐに本体価格が上がる可能性も高いです。昨今人件費のアップが期待されていますが、そうなると食料品の価格も上がるのが普通です。食料品やサービスの価格の国際比較などを見ると日本は結構、物価が安いようです。これは、雇用を守るため多くの企業が賃金を抑制してきたためだと考えられますし、国内の設備投資も控えてデフレ傾向が長く続きました。それで、食料品や生活必需品など値上げ出来ず据え置かれた状態が続きました。海外と格差が生じてきたのです。だから、日本から外国に旅行に行く人は増えず、逆にインバウンドで海外から日本に来る人が落とすお金に期待するような状態です。こうした状況は改善する兆しもあります。もし、そうであるならば、消費税が減税されようがされまいが関係無く、食料品や生活必需品など値上げが続くものと思われます。

 食料品の消費税が免除されると飲食サービス業に影響が大きいと言われています。飲食業は現在も8%軽減税率の対象で無く10%だから、食料品の消費税が無くなれば、より価格差が開き、節約するため外食より内食・中食が増えると考えられるからです。でも、これは、新型コロナ過終了後、お客様が戻ってきたところとそうでないところがあるように、魅力ある価値を提供できないお店には人は行かなくなるだけです。減税されると、飲食業では仕入の食料品の仕入税額が控除できなくなるので消費税の支払いが増えることも予想されます。売上が減って支払う消費税が増えれば踏んだり蹴ったりです。

 食品販売業における消費税の影響は、導入される計算方法により変わってきます。現在の輸出免税(0%課税)と同じ取り扱いになると、トヨタ自動車のように還付となります。食品を除く、すでに負担した仕入に伴う消費税額を申告することにより還付できるのです。ところが、非課税売上と同じ取り扱いになると、消費税のつかない売上に対応する経費等に発生し支払った消費税は、控除できないことになります。お客様からは消費税はもらえない上、経費に伴う消費税はお店の負担となります。一部の税理士等がユーチューブなどで取り上げていますが、一般に減税を議論するとき、どちらを想定しているのか分からない論者が多いようです。

 もちろん、導入された場合の案内や値札等の付け替え、システム変更等の手間や費用も問題になります。小規模零細事業者にとっては負担が大きいと思います。

 あと、財源等の議論があります。消費税が社会保障の財源として使われるのは建前でしょう。導入当時は、税の直間比率(直接税と間接税)の見直しが言われていました。消費税が始まってから、所得税・法人税が下がりました。ですからバランスの問題です。国債を新に発行しなくても、不足する分は所得税等の増税で賄うことは可能です。震災の復興特別税などありますし、防衛特別税も検討されているようです。なるべく手間がかからない方法で実質減税が行えれば良いです。消費税の減税にこだわらず、給付金支給でも可能なはずです。どうなるでしょうか?