
お知らせ
ことわざや名言格言等を多く知っていることは人生を豊かにし、困ったときの解決のヒントにも成ります。しかしながら、間違った解釈がされていることもあり、さらに言い訳や責任逃れの理由などに使われることもあります。今月は、そのいくつかを考えてみましょう。
「急がば回れ」 急いでいる時こそ、危険な近道を選ばず、遠回りでも安全で確実な道を選んだ方が、結果的に早く目的地に着ける。説破詰まって、小手先ではどうしようもない場合など正しいと言える。ところで、事前に急ぐようなことが起こると想定される場合は、段取り等を変更することで対処できる。小口注文と大口注文、コースと宴会料理等、一部の品質を落としても数量を確保するなど対処出来る。
「出る杭は打たれる」 才能や手腕があって人より抜きん出ている人、あるいは目立つ行動をする人は、妬まれたり、非難されたり、制裁を受けたりする。日本人は和を大切にしますから、周りに合わせた方が無難なのでしょう。悪い方に出て打たれるのは仕方ないと思いますが、良い方についてが問題です。農産物等を栽培するとき、成長の早すぎるものと遅いものを間引きすることが一般に行われます。このことが影響しているかもしれません。クラシック音楽では、指揮者に従い、楽団員は統一的な服装で素晴らしい演奏を聴かせてくれます。1人ひとりの奏者はコンクール受賞者であっても分かりません。 大勢の組織では一部のものが自分の解釈等で行動すると調和が保てなくなるから仕方ないのでしょう。これとは対称に、ジャズやロックの少人数のバンドでは、同じ楽器の奏者は大抵ひとりですから遠慮はありません。才能や個性を存分発揮することを観客も期待しています。もっとも常にバトルと言うことは無く、お互いのリードやソロで相手をより目立たせるためサポートに徹することも忘れません。中小零細企業では、ジャズ・ロックバンドのように、みんなが出る杭になるぐらいが良いと思います。
「神は細部に宿る」 物事の全体的な完成度や本質は、細部にどれだけ注意を払い、こだわり抜くかにかかっているという意味だそうです。たまに職人気質の経営者が材料や備品等にこだわり赤字となり撤退したと言うような話を聞くことがある。これなど、間違った解釈だと思われる。目的を達成するために全力で当たる(手を抜かない)ことだと私は思う。例えば、演劇で一流の役者が演じれば、作り話であっても心の琴線に触れるような感動を得ることが出来る。そのための仕掛けも必要となる。演劇が始まる前に客席の照明は落とさせ舞台に集中できる環境にする。音楽や照明等もムードを盛り上げるような工夫がされている。しかし、特に高価な舞台装置が必要というわけではない。次に一般の遊園地と東京ディズニーランドとの比較も考えてみよう。違いは夢の国という非現実の世界を徹底していることが言われる。明らかにメインテナンスや清掃スタッフと分かるような格好の職員や出入り業者が、お客様の目に付くところにいない。商品等の搬入がお客様の見えない、分からないところで行われる仕組みが出来ている。大々的な迷子案内の館内放送などない。電柱電信柱などが地上に無い。トイレの清掃の徹底など。他所とコンセプトの違いから安易な妥協や手抜きが無い。だから、唯一であり、リピートも多いようです。
「一芸は多芸に通ず」一つのことを極めると、その過程で得た本質的な理解や努力の仕方が他の様々な分野の習得にも役立ち、結果として多くの芸(才能や技術)に通じるようになること。まず強力な自信が得られること。習得した基本から応用ができるものが少なく無いこと。苦労体験した人しか分からない境地が他の達人から学び合えることなどを言ってあるのでしょう。しかしながら、世の中には中途半端な多趣味の人が多い。「どれも普通に出来ますよ」では、一芸を極めたことにはならない。表面の上っ面をかじったような人が多いし、若い人はそれを目標とする人も多いのが気になる。
令和7年12月 269号(R07.12)
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