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2025/10/08
令和7年9月 266号(R07.09) 生成AIを仕事に使ってみよう! その2

令和7年9月 266号(R07.09)

生成AIを仕事に使ってみよう! その2

 便利だが、まだ仕事に使われていない理由をいくつか挙げてみましょう。

1・使用者が多数派でないから

 ワープロや表計算ソフトの出始めの頃と同じです。実際に使ってみると便利さが分かり、使わない選択肢はなくなるものと思われます。生産性は向上することでしょう。

2・本格的に使おうとすれば費用が発生するし、まだ、成長過程であり成熟して完成品ではないから

 無料版ではデータが古かったり、情報のセキュリティに疑念があったりします。有料版で個人情報などに注意し適切に活用すれば問題は無いでしょう。ある翻訳出版家は、下訳を数十万円で1か月以上時間をかけ外注していたそうだが、生成AIを使ってみたところ、数分で完了したため、外注するのを止めたそうです。今、金融関係の会社は量子コンピュータに注目し、ベンチャー企業が開発した試作の量子コンピュータの時間貸し(Google他IT大手が行っています)で利用の研究を行っているそうです。システムが完成してから乗り出しても手遅れで、業界の勢力が変わると言われているからです。中小零細企業の間接部門にはそれ程、緊急重要性は無いが、主要な業務ソフトに生成AIが標準で提携搭載されるのは数年はかかると思われるので、早めに導入しておくほうが賢い選択だと思われます。

3・生成AIは誤りや嘘が含まれるので信頼出来ない

 事実でない情報を「もっともらしく」生成する現象でハルシネーションと呼ばれます。理由はインターネット上の膨大な情報から学習しているため、嘘や誤った情報も学んでしまいます。また、無料版などでは最終学習が数年前の場合もあるので最新と違っている場合もあります。生成AIの学習ではデータ量が多いものから学んでいくので、例えば「むかし、あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました。おじいさんは山に柴刈りに、おばあさんは川に洗濯に行きました」と頭の話を教え、続きの物語を作成させたならば、有名な「桃太郎」の話に似たものになります。これを「あるところにおじいさんが1人で住んでいました。」とすると、多様な物語が生成されるそうです。数学の計算に誤りがある場合もあるとのこと。これは、数式を用い実際に計算しているのでは確率で順位の高いものをつないで文章を発生させているからだと説明されます。このような誤り等を発生させないためには、指示・質問に工夫しましょう。例えば、「法令等があれば根拠となる条文を提示してください」と指示します。計算では、「数式で計算を表示してくださいなど」が有効です。根拠を求めれば誤りは少なくなります。また、どう言うプロセスで回答を導き出したかを生成AIに質問することも有効です。問われれば、包み隠さず回答が得られます。

4・生成AIに事業について質問したところ、ありふれた答えで役に立たなかった

 経営の問題・課題は一社一社違います。また、中小零細企業の個別データなどおそらく学習していないと思われます。政府や自治体、金融機関等の情報、新聞等から幾らかは学んでいるかもしれませんが。仮にAIが有用な情報を提供してくれたとしても、決断実行するのは社長他経営陣です。生成AIも進化し続けると思われるので将来は経営コンサルティングやアドバイスが出来るようになるかも知れません。現在自動運転が可能な交通機関にも最低1人は運転手等が乗っています。これは何か事故等で問題が起こった時に責任を負わせるためだとも言われています。事業経営を経験を積み、AIに助言を求めないで済むような組織を作り上げましょう。